晩秋を待てずに

娘と赤トンボの観察を楽しんだ後、一度帰宅して娘を降ろし、休憩も取らずに即出発。
今度は区部を離れて都下へと向かい、カトリヤンマの生息する田圃へと訪れた。

前回、カトリヤンマの静止姿を撮影した時は、まだ未成熟で林辺の半日陰にいたはずのナツアカネが、
すっかり真っ赤に成熟して開放的な場所に姿を現してくれていた。

ナツアカネ ♂

D700+Cosina Carl Zeiss Distagon T* 2.8/21 ZF.2
田圃の稲を背景に真っ赤な体色が午後の陽射しを受けて浮かび上がる美しい時。
午前中に区部の水辺で観察したばかりではあるが、
田圃にマッチしているイメージの方が強いせいか、区部で撮影した画よりもこちらの方がしっくりくる。
ナツアカネ（連結飛翔）

D800E+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
D700とD800Eの両機種を使用して色々撮り比べをしている最中ではあるが、ひとつだけ不満に感じる事がでてきた。
それはD800Eで撮影すると晴天順光にもかかわらず、
何かのフィルターをかけられてしまっているかのように、D700で撮影したものよりも被写体の艶がわずかではあるが抑えられ、
マットな仕上がりにされてしまうところが好きになれない。
この連結飛翔の写真もコントラストと明るさをプラスに補正してサイズ変換したものをUPしている。
いきものの質感や艶は後からの補正ではどうにもならない。
広角撮影においても同じく、まったりとしたメリハリの無い画にされてしまうので、D700の使用頻度が高いのはそのせい。
好みの問題なのでそうは思わない方も多いであろう。
新機種であるD810やD750では、そのあたりが改善されているのかが気になるところである。

オニヤンマ ♂

D700+Cosina Carl Zeiss Distagon T* 2.8/21 ZF.2
西陽が強くなりつつある時刻を迎えた時、カトリヤンマの飛来かと思いきや、数往復した後、垂れ下がるツルに静止。オニヤンマであった。

そして陽が沈んだ途端に現れたのが本命のカトリヤンマ。

カトリヤンマ ♂（飛翔）

D800E+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
晩秋まで待たなくてもタイミングさえ合えばホバリングを見せてくれるという事が今回の観察でわかった。
どうしても東京都でのカトリヤンマの活動シーンの撮影にこだわりたいので、今秋も満足するまで通うこととなりそうだ。

撮影日：９月２３日

撮影地：東京都多摩西部