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川面に舞う

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アオサナエと同時に最盛期を迎えているアオハダトンボ。今年は復活の兆しが見えていたので午後の陽射しに狙ってみた。

アオハダトンボ ♂ (開翅)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
東京都で観察する事ができるトンボの中でも美しさはトップクラス。オスは青藍色に輝く翅と金属光沢の体色を魅せ、アオサナエとはまた違った美しさを持つカワトンボの仲間。外見の美しさもそうだが、オス同士の縄張り争いやメスに向ける求愛、メスは時に潜水産卵を行なうといった生態を持ち、その一連の行動には魅了されて止まない。

オス同士の縄張り争い

D700+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
2頭のオスが猛スピードで回転しながらバトルを繰り広げている様子。

メスの背後から交尾に迫るオス

D700+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED 

アオハダトンボ (交尾)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

アオハダトンボ ♀ (産卵)

D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+SB-700
褐色の翅にくっきりとした白色の偽縁紋が目立つメス。写真は水面に張り出したツルヨシの匍匐茎、その根部に産卵している様子。

水害による影響を受けやすい種類のトンボなので、この先の季節に台風や大雨による氾濫が少なければ、今年以上に来年度は川面に飛び交う多数のアオハダトンボが観察できる事であろう。そうなる事に期待したい。

撮影日:5月31日

撮影地:東京都多摩川水系支流域

房総へ 最終章

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時は正午前、そろそろモートンイトトンボの産卵タイムに突入という事で、モートンイトトンボが多産する湿地に案内していただいた。

モートンイトトンボ (交尾)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ネアカヨシヤンマの羽化を観察した湧水湿地でもこのモートンイトトンボが多数見られ、この交尾個体はネアカヨシヤンマの羽化観察の合間を縫って撮影したもの。モートンイトトンボの交尾は早朝に行われる為、早起きが苦手なトンボ屋さんは残念ながら見る事ができないシーン。

モートンイトトンボ ♂

D300S+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
小さくか細いトンボではあるがオスの体色は美しいく、毎年の発生時期には必ず見ておきたく、この美しいさゆえに人気を呼ぶ。

さて、産卵を撮影しようと湿地に浸かり込み、お地蔵さんになりすましながらメスの様子を伺っていると、西田さんからお声がかかったので、そちらに向かってみるとそこにいたのは...

モートンイトトンボ ♀(羽化直後)

D300S+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
小さなイトトンボなので羽化個体を探すのは至難の技。そこは流石の西田さん。淡い黄色ともオレンジ色とも言い難い美しい羽化色を堪能させていただき、再びモートンイトトンボの産卵個体を探し、湿地の中でお地蔵さんのフリをして産卵撮影にとりかかった。

モートンイトトンボ ♀(産卵)

D300S+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
メスの産卵はかなり神経質で、こちらの気配を察知されると直ぐにやめてしまう為、湿地の中で産卵しそうなメスを見つけ、その場でお地蔵さんのフリ。産卵を始めたところを見計らい、水面に波を立てないようにゆっくりと慎重にカメラを向けシャッターを切る。根気と集中力が必要とされるシーンである。

オオイトトンボ(連結産卵)

D300S+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
モートンイトトンボの生息湿地と隣り合わせにある、水面が浮草で覆われた池ではオオイトトンボが産卵の真っ最中。これを撮影して今回の房総遠征は終了とした。

最後に3人揃って記念撮影

左から西田さん、中央が僕、右が加納さん。今回の房総遠征ではネアカヨシヤンマの羽化観察を始めとして、案内していただいた場所の環境、湿地の状態は非常に素晴らしく、僕が東京で訪れている場所とは水量と植生の違いを理解でき、この先の活動に繋がる貴重な経験ができた。

PS:今回お誘いくださいました西田さん、加納さん、充分に楽しませていただいき素晴らしい一日でした。ありがとうございました。感謝しております。また誘っていたたければ嬉しいです。

撮影日:6月22日

撮影地:千葉県房総丘陵

春から夏へ

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多摩六都科学館にて展示していただいている生態写真を春物から夏物へと入れ替え作業をしてきました。多摩方面にいらした際に是非お立ち寄りいただければと思います。
この土日は東京都下と茨城のフィールドに訪れた。春の昆虫たちが姿をけし、夏の昆虫たちへと入れ替わる。フィールドはそんな様子を見せていました。6月23日に撮影したものがまだ残っていますので順に更新していきます。

東京都のモートンが危ない!

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6月23日の日曜日はモートンイトトンボをひとめみたいという横倉君をお誘いして、早朝から多摩西部の生息湿地へと訪れた。事前にトンボ仲間のtokiさんからは湿地が干上がってしまいモートンがいません!とか、別の産地に訪れていた八方君からは全く出てないという情報をいただいていた。果たして本当に出てないのか?その真実を確かめるべく、モートンイトトンボの生息湿地3箇所を隈なく探すことにした。一箇所、二箇所と探すも気配すらない。湿地に足を踏み入れると何時もはズブズブ行くところ、底が硬く歩き易い。その様子からやはり干上がってしまったものと推測できる。マジでヤバイかも!と思いながら最後に訪れたのは皆さんが知るモートンの名所。探しに入るも気配が無くダメかと思っていると、横倉君がイトトンボの交尾個体がいますと指差す方をみると、そこにいたのは...

モートンイトトンボ(交尾個体)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

同個体

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
午前8時には交尾終了。リングを解いてメスがぶらさがっている様子。
ワンペアだけでも無事でいてくれて良かった。さらに隈なく探してはみたものの見つかったのはこのワンペアのみ。発生時期にムラがあるので、これから羽化をおこなう個体に期待をしつつ、このペアが東京都最後の交尾記録とならない事を願いたい。

撮影日:6月23日

撮影地:東京都多摩西部

水溜りと御神木

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D300S+AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-5.6G ED
ここは調整池から続くコンクリートで固められた大きさは20畳ほどの排水路の水溜り。樹木に囲まれ薄暗く、水底には落葉が蓄積しており、水質もあまり良いとは言えない環境。発見した当初は暗くて汚いといった理由から生きものなど何にも生息していないであろうと、覗きもしなかったのだが、ふと、春に何気なく覗いたところクロスジギンヤンマの羽化殻がごっそりと見られ、それからというものここに来る度に必ず立ち寄り観察をおこなうようになった。

さて、今日は何がいるのかと溜まりの中に入り込みあたりを見回すと、頭上、池に覆い被さるようにせり出したクワの木に目を向けるとそこで絡み合うものを発見。

アオダシショウ(交尾個体)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700
ヘビの交尾は初見。頭部が見えないのでどうなっているのか分かり難いが接合部らしき部分の撮影には成功。

そして、その横には樹上生活をするモリアオガエルとその卵塊を見る事ができた。

モリアオガエル

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

モリアオガエルの卵塊

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
モリアオガエルの産卵は夜間におこなわれるため、夜に訪れないとその様子は観察できないものの、前夜に産卵が行われたのであろか、嬉しくもモリアオガエルと卵塊の両方を観察する事ができた。

コンクリートの壁ではこちらのトンボが羽化の真っ最中。
コシアキトンボ ♀(羽化直後)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
都会の池では縄張り飛翔も見られすでに最盛期を迎えているコシアキトンボ。こちらでは少し遅れて発生している様子にある。

時にはこんな光景も...

コシボソヤンマ ♀(左上)とヤブヤンマ ♀(右下)

D700+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED+SB-700昨年の夏に撮影したもの。真夏の暑い日中にはヤンマたちが翅を休める止まり木としてこのクワの木を利用。

コンクリートで硬められた排水路の水溜りと、その上にせり出したクワは御神木。このふたつは生きものたちの生活の場として重要な要素であると痛感した。

撮影日:6月23日

撮影地:東京都多摩西部

伐採木に集まる甲虫

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場所を移動して次に訪れたのはウグイの音がこだまする静かな谷戸。どんよりとしたこの曇り空ではトンボは無理と判断して別の昆虫を探すことにした。


D300S+AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-5.6G ED林道際の斜面にはコナラ、サクラ、スギなどの伐採木が所々に目立つ。以前は殆ど手入れのされていな様子であったものの、間伐作業をおこない雑木林再生に向けての動きが見られていた。その積まれている伐採木をチェックしていくとカミキリムシとタマムシの仲間が姿を見せてくれた。

クロホシタマムシ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
大きさは10mm前後と小さいながらもメタルグリーンに輝きを魅せる美しいタマムシ。カメラやレンズを取っ替え引っ替えしながら時間をかけて撮影したものの、最初に撮影したカットが一番の出来栄え。こういった丸味を帯びる甲虫類を撮影する際、試行錯誤した末でも満足できる写真が撮れず、いつも悩まされる難しい飛翔体。絞らずに被写界深度の範囲を自由にコントロールでき、尚且つ高感度高画質、そんなカメラが欲しくなる。

キイロトラカミキリ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

ルリボシカミキリ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
夏の伐採木と言いえばこのカミキリムシ。爽やかな水色をバックに黒色の水玉模様が美しい魅力を放つ。

伐採木を産卵場所や住処に利用する甲虫たちの美しくも素晴らしい姿を観察する事ができた。

撮影日:6月23日、6月29日(ルリボシカミキリのみ)

撮影地:東京都多摩西部

ヤナギ林で

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そろそろ樹液を吸いに集まるカブトムシやクワガタムシが見られるのではと思い、実績のあるヤナギ林に入ってみた。

D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye
林床にはミゾソバが群生し、地面は田んぼのようなぬかるみのある場所。突然、横倉君がサラサヤンマ!と叫んだ。そうそう、ここもサラサヤンマが生息するヤナギの湿地。前回とは別の場所。一見するとこんなところにトンボなどいるはずもないと思いたくなるような、ヤナギで囲まれ薄暗く、ぬかるみのあるする狭い空間をサラサヤンマは好む。てっきりサラサヤンマのシーズンは終わっているものだと思い込み、さらに頭の中は甲虫モードに切り替わっていたので意識していなかった。オスならパスするところだがメス。どうやら産卵していたところ、僕達の気配に気づいて飛び上がった様子。甲虫モードからトンボモードに切り替えて、落ち着いて産卵をおこなう時にシャッターチャンを待った。

サラサヤンマ ♀

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700
まるでサナエトンボが見せる尻上げポーズのよう。なぜかこの状態で暫く静止していた。他のトンボよりも大きく発達した産卵管が特徴的で産卵場所は湿った土や朽木を好む。このメスを見た瞬間、小さい!と感じたそのサイズはコサナエを思わせるほど小ぶりなメスであった。

サラサヤンマ ♂(飛翔)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700
こちらは最盛期に撮影したオス。上からのカットにこだわって撮影に励んだ中の一枚。複眼から腹部先端までピントが合い、飛翔中、胴体のわずかな振動から出るブレもおさえて撮影する事に成功したものの、翅の写り方に不満が残る。それを課題としてまた来年も楽しみたい。

撮影日:6月23日(メス)5月31日(オス)

撮影地:東京都多摩西部

ハッチョウトンボの聖地へ

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30日はアカゲラさんがお誘いくださり茨城県へと遠征。茨城をホームグラウンドとしてトンボを中心とした昆虫の撮影、調査研究とご活躍されている、梅里のデジタル博物館でお馴染みの梅里さんこと染谷さんに、水戸界隈のフィールドを案内していただいた。残念ながら現地の天気はあいにくの曇り空。午前中は国内最小として知られるハッチョウトンボが多産するという湿地に案内していただいた。

ハッチョウトンボ ♂(羽化直後)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
羽化殻は5mmほどで成虫の全長は20mm弱といった極小。どのくらい小さいのかというと...

キイトトンボ ♀

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
こちらはハッチョウトンボと一緒に見られたキイトトンボ。この貪欲ぶりを見せているキイトトンボに捕食されているのはハッチョウトンボ未成熟のオス。キイトトンボの半分の大きさとお分かりいただけたであろう。

ハッチョウトンボ ♀

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
都心部から1時間半という場所に羽化直後から未熟、成熟と入り混じる、おびただしい数のハッチョウトンボが発生している湿地環境があるとは思いもせず、先日の房総と同じくその素晴らしさに感銘を受けた。天気が良ければ午後を中心に交尾や産卵といった生殖活動が観察できるのだが、湿地の上空は分厚い雲におおわれており、期待もむなしく、残念ながらその活動ぶりを観ることは叶わず。ならばと、裏ワザを使って動かないハッチョウトンボに動いてもらった。

ハッチョウトンボ ♂(飛翔)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
裏ワザと言っても驚かして飛び上がらせ、次に静止するまでの間に置きピンでファインダーを覗きながらピントが会うか合わないかのところでシャッターを切る繰り返し。これはハッチョウトンボの習性を利用した撮影方である。正統派の方は真似されないようにお願いします。しかし、オスの赤い体色を写真で表現するのは難しく、特に腹部は色飽和をおこしてしまうほどに彩度が高い。そのあたりが悔やまれ、来年は羽化の撮影を含めて晴れた日に訪れてみたい。


D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye

撮影日:6月30日

撮影地:茨城県央地域

オレンジ色

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ハッチョウトンボの聖地を後にして、僕のリクエストで次に訪れたのは希少種であるコバネアオイトトンボの生息する池沼。到着早々、池の縁に出ている個体を探す。

コバネアオイトトンボを探すアカゲラさん。

D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye

コバネアオイトトンボ ♀(未成熟個体)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
胸部が美しいオレンジ色に染まる未成熟個体。これはコバネアオイトトンボの証しでもあり、このオレンジ色は未成熟期のみに魅せる美しい姿。近縁種であるアオイトトンボやオオアオイトトンボの未成熟個体の胸部はこのようにオレンジ色には染まらない。
こちらもハッチョウトンボと同じく東京都では残念ながら絶滅してしまい見ることができない種類。全国的にも希少種である。生殖活動期を迎えたころ、再びその様子を観察しに訪れたい。

撮影日: 6月30日

撮影地:茨城県北地域

樹木に輝く

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コバネアオイトトンボの生息池を離れて、次はアオマダラタマムシが生息するという雑木林に案内していただいた。早速、ホストの樹木を調べて行くと上の方にいくつか発見。よじ登って撮影を試みた。

アオマダラタマムシ(交尾)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700
足が吊りそうな辛い体制での撮影と被写界深度が浅いフルサイズと言う事もあり、写真の出来栄えは証拠写真程度。

アオマダラタマムシ ♀

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
メタルグリーンにゴールドの斑模様と美しい輝きを魅せるタマムシ。このメスの体長は25mmほど。東京都にも局地的ではあるが生息しているようなので、見つけた時にはじっくりと撮影を試みたい。この後、ゼフィルスやサラサヤンマを狙いに、各産地を案内していただいたものの、曇り空という条件下という事もあり、残念ながら姿をみる事はできず。茨城県遠征はこれにて終了とした。

PS:素晴らしいフィールドに案内してくださいました梅里さん、大変勉強になり楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。

撮影日:6月30日

撮影地:茨城県北地域

夏真っ盛りの樹液場

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関東甲信越地方は梅雨明けが発表され、いよいよ本格的な暑い真夏の到来。夏といえば樹液場の昆虫観察もまた楽しい季節だ。カブトムシやクワガタムシなどが樹液を求めて賑わいを見せているのではないかと思い、都下に区部と、それぞれの樹液場をチェックしてみた。

まずは都下から。一昨年前に洪水の影響で流されてしまっていた中洲のカワヤナギが見事に復活を遂げていたので、直ぐさま川を渡りツルヨシをかきわけヤナギの真下に入ると、そこに姿を見せてくれたのは...

カブトムシ ♂

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700この存在感と立派な角を観ないことにはやはり夏は始まらない!里地里山の代表格、昆虫の王者として永遠の人気を誇るカブトムシ。夜行性なので夜間にたっぷりと樹液を吸ってお腹いっぱいなのか、殆どの個体がこうして幹につかまり、ただいま休憩中といった様子をみせていた。

そして、都下の里地里山環境とは異なる臨海地区の樹液場で姿をみせてくれたのは、美しい金属光沢を持つカナブンやハナムグリ。

シロテンハナムグリとリュウキュウツヤハナムグリ

D300S+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700
アキニレの枝にごっそりと群がり、場所の取り合いを見せていたのはシロテンハナムグリ。そして、左側の緑色に輝きを魅せているのは、徐々に勢力を強めつつある、巷でうわさのリュウキュウツヤハナムグリ。在来種のシロテンハナムグリに悪影響を及ぼすとされているが、今のところシロテンハナムグリの数が減っているといった様子はない。飛翔能力が優れているため、内陸部にある樹木の多い公園や緑地などで発見、観察されるのは時間の問題かもしれない。

シラホシハナムグリとカナブン(緑色型)

D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+Sigma Electronic Flash Macro EM-140 DG
こちらはアラカシの樹液場に集まっていたシラホシハナムグリとカナブン。以前、都内でシラホシハナムグリの記録は殆どなかったものの、いつの間にかシロテンハナムグリとともに観察できる種類となった。両種にある白い点の配置と数が異なり区別がつくものの、いつか隣り合わせで樹液を吸う姿を撮影できればと思う。

カナブン(緑色型)

D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+Sigma Electronic Flash Macro EM-140 DG
そして、このカナブンを見た瞬間、アオカナブンかと思ってしまったが、色の鮮度、体型、分布域からみてカナブンの緑色型と判断。しかし、ここまで緑色が強く出ているカナブンは初めて見た。まるで、かき氷のメロンシロップに漬け込んだかのような素晴らしい体色を楽しませてくれた。

撮影日:6月29日(カブトムシ)7月6日(シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、リュウキュウツヤハナムグリ)

撮影地:東京都多摩西部(カブトムシ)、区内臨海地区(シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、リュウキュウツヤハナムグリ)

真夏の沼地群へ

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七夕の日曜日はアカゲラさんと現地で待ち合わせをし、千葉県の九十九里浜にほど近い、古くから歴史をもつ沼地群へと訪れた。ここは、それぞれ植生環境の異なる大小様々な沼地が20以上点在する場所。

ガマとヒシの群落

D300S+AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-5.6G ED
開放水面も確保され、良好で安定した植生環境には見惚れるほど素晴らしい景観を魅せていた。

ハスの群落

D300S+AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-5.6G ED
ハスの花はまだ二分咲きといった様子。8月初頭あたりから見頃を迎えそうだ。

水中に見られるマツモ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
マツモやタヌキモなど沈水生浮遊植物は水質の浄化能力に優れている上、トンボの産卵場所や水生昆虫、稚魚、エビなどの住処となっている。

ここは絶滅危惧種を含めた湿生植物や昆虫類などの多様性が見られる貴重な沼地群であり、特にトンボの生息種は多く、東京都では絶滅となってしまったオオモノサシトンボとオオセスジイトトンボの生息地となっている。今回はその2種類を観察、撮影目的として訪れた。まずは、以前にオオセスジイトトンボの静止姿が多く見られた草地を覗くも、残念ながら全くその姿を確認することが出来ず。減少傾向にあるのかと思いながら各沼を散策していると、ふと覗いた場所にオオセスジイトトンボの交尾帯が2、3ペアに産卵中のオオモノサシトンボを発見。思っていたよりも生殖活動の時間帯が早い事に驚かせられながら、早速、撮影に取りかかった。

オオモノサシトンボ(連結産卵)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
数年前にも二度訪れ、その時は本種の産卵行動を撮影するに叶わずであったが、今回は嬉しくも産卵姿をとらえる事に成功。しかし、ここで見られたのはこのワンペアのみ。その他には単独個体が2、3数頭と、個体数は非常に少ない様子。数ある沼地群の中のほんの一部にしか見られないのか?気になるところなので、次回、訪れた際には念入りに調査を試みたい。

撮影日:7月7日

撮影地:千葉県山武郡

青空の下のスカイブルー

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オオモノサシトンボの連結産卵を撮影した後、つぎは同じ場所に姿を魅せていたオオセスジイトトンボにカメラを向けた。発見時には交尾中であったものの、オオモノサシトンボの産卵撮影をしている間にこちらも同時に産卵の時をむかえていた。

オオセスジイトトンボ (連結産卵)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
オスはスカイブルー、メスはライムグリーンと爽やかな美しい体色を持つ大型のイトトンボ。特にオスのブルーは7月の青空に引けを取らない美しいさだ。

オオセスジイトトンボ (連結飛翔)

D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye

オオセスジイトトンボ (2ペア)

D700+Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro
こちらはアカゲラさんからシグマの24mmをお借りして撮影したカット。

オオモノサシトンボにオオセスジイトトンボと、どちらも以前に訪れた時よりも個体数が減少傾向にあるのが残念でならない。それらに変わり撮影には至らなかったが、以前は稀に見かける程度であったベニイトトンボの生息数が徐々に増えているといった様子にあった。そのベニイトトンボの連結産卵をアカゲラさんが撮影していたので参考にしていただければと思います。

そして、本日、無事に次女が誕生しました。しばらくの間フィールドワークは日曜日のみとなり、ブログの更新も不定期になるかと思いますが、これからも東京昆虫記をご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

撮影日:7月7日

撮影地:千葉県山武郡

夏の音

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うだるような暑さが続く東京都心部。夏本番を知らせるように樹木の多い場所ではセミの音が聞こえている。都内に生息する数種類のセミのうち、他種よりもひと足お先に登場するのは小型のニイニイゼミ。高音域の音のする高所へと目をむけるも、中々その姿を発見するのが難しい種類。それもそのはず、樹皮に擬態する体色はセミの中でもトップクラス。目の前に静止していても見逃してしまうほどに素晴らしい擬態技の持ち主である。

サクラで鳴くオス

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
腹部が持ち上がり少し翅が開き気味なのが鳴いている証拠。わかりにくいけど。

アンズの木に止まるメス

D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
本格的なセミシーズンはこれからと言うもの、今年も賑やかに鳴きどおす姿を観ようと、樹木に目を向ける機会が多くなりそうだ。

撮影日:7月14日

撮影地:都立東京港野鳥公園

今年も豊富

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そろそろ最盛期を迎えている頃であろうとベニイトトンボの生息池に訪れた。

ベニイトトンボ (交尾)


ベニイトトンボ (連結産卵)

先日に撮影したオオモノサシトンボと同じく、交尾後、連結態のままオスは直立姿勢で警護を続けるといった産卵スタイルは素晴らしく、何度撮影しても飽きさせないシーンである。
狙っていたシーンにはありつけなかったものの、毎年、安定した発生状況にあり、今年も豊富な様子を見せていた。

全てD700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

撮影日:7月14日

撮影地:東京都区部

ひと休み

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ゴマダラチョウ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
勢力を強めつつあるアカボシゴマダラにより、このところ見かける頻度が少なくなっているゴマダラチョウ。久しぶりにじっくりと目の前で観察する事ができた。シックで上品な美しさが魅力を放つ。

撮影日:7月14日

撮影地:都立東京港野鳥公園

ひと休み II

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アオヤンマ ♀

D700+Ai AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED
野鳥公園では昨年よりも少なめな様子にあったアオヤンマ。園路際に静止した個体をボランティアガイドの前田さんが発見。あそこ、あそこに止まってる!と教えていただきました。そろそろアオヤンマもシーズン終盤にさしかかる時期。それにしては翅に傷みもなくとても綺麗なメスでした。

撮影日:7月14日

撮影地:都立東京港野鳥公園

盛り上がる樹液場

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母子ともに健康で無事に退院。新たに家族がひとり増えて嬉しいかぎりである。そしてこの土日は妻にお許しをいただいき、数時間だけ近場のフィールドに訪れた。真夏を知らせるセミの音に耳をかたむけながら樹液場をチェック。


D300S+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye
コナラではカナブンとアカボシゴマダラが場所取り合戦をみせていた。写真はカナブンに追い払われた2頭のアカボシゴマダラが樹液にありつけずにうろたえている様子。ここでは不思議とハナムグリの姿が観られない。

そのハナムグリを探そうと、別の樹木に目を向けた。すると...


D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700
昨年に続きこのハルニレは大盛況。リュウキュウツヤハナムグリはグリーンと銅色の2タイプにシロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、コアオハナムグリが揃い、どうやらハナムグリ属にはお気に入りの樹液場のようだ。


D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-700
そこにゴマダラチョウも飛来して加わり、各種が入り混ざる素晴らしい活動ぶりを見せてくれた。どちらも同じエリア内にあるコナラとハルニレであるが、カナブンはコナラの樹液に多く、ハナムグリ属は先日に観察したアキニレに続き、ニレ科の樹液を好むといった様子にある。

ここは古くからある里山の雑木林とは環境が異なりカブトムシやクワガタムシが観察できることは稀である。その反面、里山の雑木林には少ないハナムグリ属が非常に多い地域となっている。こうした地域や場所、そしてブナ科やニレ科といった樹木の種類により集まる好樹液性昆虫相の違いを知るのもまた楽しい。

撮影日:7月20日

撮影地:区内 臨海地区

シダの葉裏で

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そろそろ黄昏ヤンマが活動最盛期を迎えているのではないかと思い、午前中、産卵に飛来するヤブヤンマの撮影を試みようと生息池に訪れた。しかし、この荒れた天気のせいで低活性なのか?全く池に姿を現さず、この日は残念ながら空振り。。。ヤブヤンマを待ちながら水際をチェックしていると、羽化を済ませたばかりのオオアオイトトンボが僕の気配に気づいき、次々に飛び去って行く姿が見られた。ヤブヤンマの産卵時刻に合わせたアプローチであったため、すでに羽化を済ませた個体ばかりが目立つ中、これから羽化を行う個体がいるかもしれないと思い水際を隈なく探した。すると、シダの葉裏に定位しながら胴体を揺さぶる行動をみせていた羽化直前の個体を発見。早速、撮影にとりかかった。

オオアオイトトンボ ♂ (羽化)

大きく飛び出た複眼に注目。

オオアオイトトンボ ♂ (羽化直後)

羽化直後にしか見られないこの半透明な姿もまた美しく魅力的だ。

全てD700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

撮影日:7月27日

撮影地:東京都多摩南部

娘と虫探し

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午後まで粘ってみたもののヤブヤンマのメスは一向に現れず諦めて退散。帰宅すると娘がセミやトンボを見に行きたいと騒いでいたので、娘を連れふたたびフィールドへと向かった。ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、アブラゼミの音につつまれながら虫探しをしていると、娘が何やら大型昆虫を見つけた様子。近寄ってみるとそこには...

オオミズアオ

D300S+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye
前回、観察した個体よりも今回の個体は黄色が強い。娘は気持ち悪いと叫びながら遠ざかって行った。どうやら蛾はキライのようだ。

撮影日:7月27日

撮影地:都立東京港野鳥公園
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